うつうつ気分もやさしく整える ~春の食養生「たけのこ」~

4月からの新生活や環境の変化で、気持ちが落ち込みやすくなる時期。いわゆる「5月病」のように、やる気が出にくい、気分が晴れないと感じる方も多いのではないでしょうか。

そんな春から初夏にかけて、旬を迎えるのが「たけのこ」です。コリコリとした食感と香りが魅力で、季節の恵みを感じられる食材です。薬膳の考え方では、春先の停滞した気の流れをすこやかに整え、食欲や気分のめぐりをサポートするとされます。


たけのこの栄養と特徴

  • 食物せんい
    便通を整え、毎日をすっきりと過ごすための食生活に役立ちます。

  • カリウム
    体内の余分な塩分を排出し、バランスを保つミネラルです。

  • チロシン
    たけのこの切り口に出る白い粉に含まれる成分で、神経の働きを支えるアミノ酸の一種です。気分が沈みがちなときに食生活のサポートになります。

  • アスパラギン酸
    疲れを感じた時のエネルギー代謝を助ける成分で、うまみも豊富です。


おいしく食べるコツ

たけのこは鮮度が命。買ったらすぐにゆでて下処理をし、水につけて冷蔵保存し、2~3日以内に食べきるのがおすすめです。
体を冷やす性質があるとされるため、冷えやすい方は味噌など温める性質の食材と合わせて調理するとよいでしょう。たとえば「たけのこの味噌煮」や「味噌炒め」は相性抜群です。


春のめぐみで気分も軽やかに

季節の移ろいとともに、心や体のリズムも揺らぎやすくなります。旬のたけのこを食卓に取り入れることで、春の香りと食感が日々の食事に彩りを添えてくれます。おいしく味わいながら、気持ちも少しずつ軽やかになっていく…そんな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。