秋の食養生「栗」 ~疲れやだるさに~

すがすがしい運動会の季節から、徐々に気温も下がり、より秋らしい色づきを見せ始める季節です。動きやすい季節でもありますので、旅行を計画されている方も多いことと思います。スポーツの秋、というだけあって、普段あまり運動しないという方も、外を軽く散歩を始めてみるのもいいですね。

何も頑張る必要はありません。自分の体の声を聞きながら、できる範囲で体を動かすことでじゅうぶんです。すがすがしい秋の空気が気持ちよく、心身ともにリフレッシュできると思います。

もし、少し歩いただけでも、すぐに息が上がってしまい、足腰がだるい方は、少々体力が落ちているのかもしれません・・・。そんなときに、おすすめしたい食べ物は「栗(くり)」です。「栗」は、食べられる木の実の代表として、古くから栽培されてきました。ほくほくとした「栗」の甘い実には、体力アップの効果があって、たくさんの栄養が詰まっています。

「栗」は、体を温める力が強いです。胃腸のはたらきを高めて「気」を補い、体力アップにつながります。とくに下半身に力を与えて、筋力強化をうながし、足腰のだるさや腰痛を改善します。疲れているときや気力がわかない時に食べると良い食材です。

女性では、生理を安定させ、生理痛を緩和する効果も期待できます。ただし、一度にたくさん食べると胃がもたれやすくなりますので、食べすぎないように気をつけてください。

「栗」の優れた栄養価

①ビタミンB1・B6

ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えるために必要なビタミンです。代謝を高めて、疲労物質の燃焼により、たまった疲れを解消します。ビタミンB6は、脂質の代謝に関わるビタミンで、エネルギーを作り出します。

②ビタミンC

「栗」に含まれるビタミンCは、でんぷん質に守られているため、加熱しても壊れにくい特徴があります。細胞の老化をおさえて、肌にハリとツヤを与えてくれます。

③その他

「栗」の主な成分は炭水化物で、とくにでんぷんを多く含みます。たんぱく質が多く脂質は少なめのヘルシーな食材と言えます。カリウムや食物繊維も豊富で、栄養素が充実している食材です。

「栗」食養生おすすめ料理法

「栗」の渋皮には、ポリフェノールのタンニンが含まれており、抗酸化作用による「がん予防」や「動脈硬化予防」に効果があるとされています。食物繊維も多く含まれているので、渋皮をつけたままの料理がおすすめです。あく抜きに手間がかかりますが、栗の渋皮煮や中華風の炒め物にしてもおいしくいただけます。「栗の渋皮煮」もいいですね。

冬の寒さを乗り越える準備期間

動物たちが冬を迎えるまえに、いろいろ準備をするのと同じ、私たちも冬の寒さに負けないよう準備が必要です。食事は毎日のことですから特に大切です。旬のものを意識して取ることを始めてみませんか?

「栗」は体力や気力を充実させて、これから迎える寒い冬に備えて、免疫力を高めてくれます。「元気が欲しいな!」というときに、ぜひ「栗」を食べてみて下さいね。