ついつい食べ過ぎてしまうお正月の食養生

1月7日の朝は、「七草がゆ」を食べる習慣がありますね。昔は、前日に七草を摘みに行き、神前にお供えをしてから、おかゆにしていたそうです。

「七草がゆ」を食べる意味は、お正月のごちそうで疲れた胃腸をいたわり、七草で栄養補給をおこなって、今年1年の無病息災を願うためと言われています。

「春の七草」覚えていますでしょうか? 「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」。子供のころにみんなと競って一生懸命覚えた方も多いのではないでしょうか。

「春の七草」のひとつである、「スズシロ」とは「大根」のことです。自然の消化剤ともいわれている「大根」は、食べすぎて胃がもたれるときや、おなかが張るとき、便秘のときなど、胃腸の不調を感じるときにおすすめしたい野菜です。

「大根」は体の「気のめぐり」をよくして、胃腸の調子を高めるはたらきがあります。食べすぎ・飲み過ぎで消化不良を起こしているときにぴったりです。また、「痰(たん)」を取り除くので、せきやのどの痛みにも良い効果があります。血流を改善して痛みを緩和し、出血を止める働きもあります。

「大根」の優れた栄養素

①ジアスターゼ

でんぷん分解酵素のひとつ、別名アミラーゼ。でんぷんの消化を促し、胸やけや胃もたれを予防する効果があります。大根の根の先端のほうが酵素の働きが強く、熱に弱い性質があるため、大根おろしなど、生で食べるのが効果的です。

②アリルからし油

大根特有のピリリとした辛味の精油成分。胃液の分泌を高め、消化を促す作用があります。

大根の葉は、緑黄色野菜に分類され、β-カロテン、カルシウム、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。もし葉があるようでしたら、葉つきの大根を選んで、葉を刻んでみそ汁にいれたり、さっとゆでて刻み、醤油で和えたりして、捨てずにおいしく食べましょう。

「大根」おすすめ料理法

「七草がゆ」は、お正月疲れが出はじめたころに、胃腸に負担をかけず、栄養を補給するのに、ちょうどよいものです。七草を摘みに行くのは現代では難しいと思うので、市販の「七草セット」や、大根葉、かぶの葉、小松菜など、手に入りやすい青菜を何種類か使って「七草がゆ」を作ってみましょう。

[七草がゆの作り方]

材料(4人分)・・・米 1合、七草や青菜など両手いっぱい分くらい、塩適量

作り方・・・

1、七草はさっと塩ゆでにして、水気をしぼり、みじん切りにする

2、米を研ぎ、1ℓほどの水とともに、土鍋か厚手の鍋に入れて、30分以上浸水する

3、ふたをして強火にかけ、沸騰したら、弱火にして、ふたを少しずらして、40分ほど炊く

4、米がお好みのやわらかさになったら、七草を入れて混ぜ、塩で味をつけて、しばらく蒸らす

お正月というのは、どうしても食べ過ぎの傾向になりがちです。胃腸に負担がかかる時期に、消化を助けるはたらきのある「大根(スズシロ)」を入れた「七草がゆ」を食べて、「今年も元気で暮らせますように」と願いながら、疲れた胃腸をしっかり休めてあげたいですね。