眼精疲労とは病名ではなく、眼の慢性的な疲れとそれに伴う全身症状が出ている「状態」のことを指します。したがって、「これが眼精疲労の原因だ」と特定できるものではなく、たくさんの原因が絡まりあって眼精疲労の症状を引き起こしているケースがほとんどです。

眼精疲労の症状が「眼」と「身体」に起こるように、原因も「眼」や「身体」に隠されている場合が多いです。
それでは、眼精疲労の原因となる「眼の原因」と「身体の原因」とはどのようなものなのでしょうか。

まず、「眼の原因」としては、視力の問題とドライアイ、斜視が挙げられます。
・視力の問題・・・近視や遠視、老眼など視力に異常をきたしている
・ドライアイ・・・眼の酷使やコンタクトの使用で角膜が乾燥する
・斜視・・・焦点のずれにより物の立体視が正常にできない

これらの原因により起こる視力低下をカバーするために、目をより酷使してしまいます。

「身体の原因」としては、自律神経失調症、更年期障害、ストレスなどがあります。
・自律神経失調症・・・自律神経の乱れにより涙が正常に分泌されない
・更年期障害・・・ホルモンバランスの崩れにより角膜が乾燥する
・ストレス・・・交感神経優位での涙分泌の抑制

また、これらの身体の原因は、肩こりや頭痛を引き起こすものです。 肩こりは緊張型頭痛と呼ばれる首や後頭部の頭痛を引き起こしたり、眼周囲の筋肉の緊張にも悪影響をおよぼします。

眼精疲労は、これら「眼の原因」と「身体の原因」が複雑に絡み合い、眼の疲れや肩こり・頭痛といった症状としてあらわれるのです。